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行政書士高野誠事務所
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遺言の書き方

 後々のトラブルを防ぐ為に、遺言書を作成するときに次の点に注意する必要があります。


◆曖昧な表現は避ける
 遺言はその内容に疑義があっても、本人は既に亡くなっているのでその内容について確認できません。
 その為、誰に何をどれくらい相続・遺贈するのか誰がみても明確なようにはっきり書いておかなければなりません。

 財産を受け取る人に関しては名前だけでは同姓同名の人がいる可能性もありますので、氏名だけではなく、住所・生年月日などを記載しておく方が良いでしょう。

 財産に関しても、次にあげる「財産目録」などを元に特定して記載します。例えば預貯金の場合などは金融機関名・口座番号・残高など具体的に記載します。不動産の場合は、権利証や登記簿謄本などに記載されているとおり所在・地番・地目・地積・家屋番号・構造・床面積などできるだけ特定しやすいような記載にします。

 日付は「平成○○年○月吉日」という表記は無効になります。「遺言者○○の○○歳の誕生日当日」「平成○○年 元日」などといった記載は一応有効とされる可能性が高いのですが、後日問題になる可能性は極力排除する為に素直に年月日を記載しておく方が良いと思います。


◆財産の所在を明らかにしておく
 財産目録を作り、不動産や預貯金、現金、株式、債権、貴金属、美術品などどこにどれくらいあるのかできるだけ詳細に書き記しておきます。

 貸金庫などに預けているものなどはその金庫の所在場所・名前や書面(証明書や契約書など)、鍵の所在など明らかにしておきます。また、金融機関によっては記載の内容次第で相続人や遺言執行者が金庫の開閉を求めても中々応じてくれないこともありますので、事前に記載方法などを確認しておいたほうが良いです。

 また、貯金通帳、不動産の権利証、債権等の契約書等財産の特定につながるものはその所在を明らかにしておいた方が良いです。


◆遺言書の保管場所を信頼できる人に知らせておく
 遺言書を残してもその存在が分からず発見されなければ、意志が伝わらずに相続人の協議によって自由に処分・分配されてしまいます(遺言が無い場合は遺産分割協議を行います)。

 また、破棄や隠匿・改ざんなどの可能性もありますので、自分の死後に確実に保全してもらえる人に保管場所などを知らせ、その後の手続の方法(検認の方法)などを教えておく必要があります。

 もし可能であれば、友人知人や専門家などの第三者にその旨お願いしておくか、保管を頼んでおく方が一番良いと思います。


◆遺言書執行者を決めておく
 遺言執行者とは遺言の内容を実行する人のことです。必ず定めておく必要はありませんが、遺言執行者を指定し、事前にその人に執行をお願いしておくことで、相続手続を迅速に行うことができ相続人の手間を省くことができます。

 なお、遺言執行者は利害関係のない第三者を指定しておくほうが無難です。なお、未成年者などの欠格事由に該当する人はなることができません。

 また、遺言書に遺言執行者の定めが無い場合、家庭裁判所に申し出れば裁判所が選任してくれます。


◆遺言内容の変更・撤回は遺言で行う
 以前に作成した遺言を撤回するには、遺言の方式によって行わなくてはなりません。この場合、内容の異なる遺言が数通存在することになりますので、日付などが重要になってきます。

 また、遺言書が複数存在する場合で内容に矛盾がある場合などは、最新(直近)のものが有効となります。但し、後々トラブルになる可能性がありますので、明らかな矛盾がある場合などは注意が必要です

 例えばある不動産を前の遺言でAに相続させる旨記載しておき、後の遺言で同じ不動産をBに相続させると記載した場合、AとB間で争いが起こる可能性があります。

 この場合、『平成○○年○月○日付遺言中の「不動産(物件を表示)をAに相続させる」としていたが「不動産(物件を表示)をBに相続させる」と変更する』というようにします。

 できれば変更した理由(Aに相続させる予定であったが、Aには別の財産を平成○○年○○日付で○○を生前贈与した為、Bに相続させることとした)など記載しておいた方が良いと思います。

 また、上記のとおり遺言書の一部を撤回・変更することは可能です。この場合も変更前の遺言書の日付・箇所を明記して『「1000万円相続させる」とあったものを「500万円相続させる」』、『「不動産○○をAに相続させる」とあったものを撤回する』というように記載します。

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